180209

日本人のフィットネス熱が本格化しそうな気配だ。昨年実施されたオンライン通販大手「Amazon.com」のビッグセールでも、日本で一番売れた商品はなんとプロテインだったという。今回はその流れに乗り、ネットユーザーから多大な支持を得ている『マッチョグルメ』(成田成哲/集英社)を紹介したい。

主人公は、輝かしい戦歴を持つ超一流のボディビルダー・天王寺 美貴久。彼もほかのビルダーと同様、日頃はウェイトトレーニングに加え、厳しい食事制限をおのれに課しているが、たまに好きな物を食べて良い「チートデイ」を設けている。その日にグルメをとことん楽しみ尽くすことこそ、天王寺の強さの秘密だったのだ。

彼がチートデイに注文するのは、ビーフカツ定食、ローストビーフ丼など、普段はタブーとしている高カロリー・高脂肪料理ばかり。それを満面の笑顔で口に運び、筋肉だけでなく心にも栄養を与える。「『食』無くして筋肉無し!!」という作中のせりふが、一流の一流たる所以を物語っている。

ボディビルに限らず仕事、受験勉強まで、とことんストイックに自制することを美徳と考える風潮が日本には根づよい。それがブラック企業を蔓延させた一因と言えるかもしれない。だが労働生産性では休暇が多い海外企業に劣っていることが判明するなど、昔からの価値観に変化も見られつつある。

力を抜くことで力が生まれる、と古武道の教えにあるように、日本人も本来はリラックスの大切さを知っていたはずだ。適度に美味しいものを楽しみ、最高のパフォーマンスを発揮する『マッチョグルメ』の主人公は、そんな忘れかけていた大切なことを思い出させてくれるきっかけになるかもしれない。

(担当ライター:浜田六郎)

 

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