日本語の“クイズ”と“なぞなぞ”って、どう違うかわかりますか? 知識を計るのが“クイズ”、発想力や思考力を試すのが“なぞなぞ”だそうです。つまり冒頭に尋ねたのがクイズで、「パンはパンでも食べられるパンは?」や「上は大水、下は大火事はなーんだ?」などがなぞなぞです。ヤングエースで連載中の『ナナマル サンバツ』(杉基イクラ/KADOKAWA)は、そうしたクイズに挑む高校生たちを描いた漫画です。
「競技系クイズストーリー」と表現した物語は、主人公の越山識(こしやましき)が高校に入学し、クイズ研究会に入部するところから始まります。引っ込み思案な主人公ですが、読書好きなこともあって、知識量は抜きんでています。ただし知識だけでは不十分なのがクイズの世界。クイズ研究会に入部し、全国の高校生が参加するクイズ大会に出場したことで、主人公はそれを実感していきます。
タイトルの『ナナマル サンバツ』は、7問正解した人が勝ち抜けし、3問間違うと敗退する大会形式、つまり「7○3×」から来ています。作中でも描かれているように、この条件ポイントの割合が、参加者の力量を図る上で最も適切だそうで、「7○3×(ナナマルサンバツ)を制すものはクイズを制す」なんて表現もあります。
ただし、単なる知識量だけで大会を勝ち進んでいくことはできません。回答する権利を得るボタンを早押しするテクニック、正答が明らかになるまでの質問文を見極める洞察力、出題側や参加者との駆け引きも必要です。さらに、ひと捻りふた捻りされた問題もあるため、なぞなぞ向けの発想力や思考力も必要になっています。手軽で楽しい、そして意外に奥深いクイズの世界がここにあります。
(担当ライター:県田勢)