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世界各地には文化的背景によって生じるさまざまな症状があり、日本人は際立って「対人恐怖症」が多いそうだ。たしかに以心伝心には長けているが、人前で堂々と話すプレゼンや、意見をぶつけ合うディベートは苦手な傾向が目立つ。そんな国民性をうまくキャラクターに反映させた漫画『古見さんは、コミュ症です。』(オダトモヒト/小学館)が、じわじわ人気を高めている。

ごくフツーな主人公の只野くんは、高校へ入学して黒髪の美少女・古見硝子(こみしょうこ)さんと出会う。クラス全員から崇拝されるほど容姿端麗でクールな古見さんだが、実は「他人との会話が極端に苦手」という隠れた弱点があった。それを誰よりも先に偶然知ってしまった只野くんは、彼女が目標とする「友達100人」を叶えるため、好意を胸に秘めながらあれこれ世話を焼いていく。そんな2人を中心にした学園コメディだ。

普段の会話はジェスチャーか筆談、人と向き合っただけでガタガタ震えてしまう古見さんだが、内心では「自分の性格を克服したい」「もっと周囲と関わりたい」と願っているところにリアリティがあって面白い。読者人気は高いようで、読み切りとして描かれたはずがレギュラー連載に昇格し、レビューサイトでも安定した支持を獲得している。

最近の新入社員は飲み会に誘っても断る、無口で付き合いが悪い……そうした先輩サラリーマンの嘆きを伝えた記事をしばしば見かけるが、一方でソーシャルアプリに何百人ものフォロワーを持つ若者は珍しくない。彼らは他人に無関心なのではなく、古見さんのようにコミュニケーションの方法が見えにくく変化してきただけではないだろうか。そう考えさせてくれる作品である。

(ライター:浜田六郎)

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