180712 ド直球彼氏×彼女1

©ふじた渚佐/一迅社

日本人は恋愛感情を表に出すのが下手だという。確かに海外映画などを観ると、やたらと「I love you」を連呼しているのを恥ずかしく感じることがあるが、実際は直訳するから「愛しています」になるだけで、さほど当人たちにとっては過剰な言葉ではないのかも知れない。むしろ日本人が過敏すぎるのだ。

 

一方、ドラマや小説などではその恥ずかしさを代替してくれるかのように「愛してる」と言い合う恋人同士に憧れたりしてしまうのだから感情も不可解なもの。しかし突如SNSでトレンド入りし、連載・単行本になった漫画『ド直球彼氏×彼女』(ふじた渚佐/一迅社)は、その恥ずかしさを地でいってくれるタイトル通りの「ド直球」なラブコメだ。

 

まっすぐすぎて困っている人を助けては好意を持たれてしまう「ザ・漢!」な本田と、一見クールそうなFカップ美人の真子は、エロ本回収を巡って突然の追いかけっこ。その際、ハプニングで真子の胸が本田に揉まれるハメに!? 恋愛音痴の真子は、友人のゆかりや妹の梨子にはしっかりと見抜かれている自分の気持ちに気付かない。それどころか、自分の胸のドキドキは高血圧のせいだと勘違いするという純朴っぷり。

 

ただこの作品が、よくある少女漫画に終わらないのは、真子と本田の会話にはとにかく「!」が多く、ほぼ音量全開での会話になっているからだろう。絵にも集中線が多く、「ドバァー!」「バターン!」という擬音も多々。悪気なくしれっと真子をときめかせる本田と、その都度絶叫&悶絶しまくる真子が可愛すぎる。

 

SNS版では恋人同士だが、単行本ではまだ付き合う前の段階。真面目さには定評のある日本人だからこそ、恋愛にも熱意を注ぐのも悪くないと思う。

 

(担当ライター:桜木尚矢)

スマコミバナー_ブログ記事用_400w90h